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笠菅山・天スギツアー その3

 みなさん、こんにちは。天杉太郎です。
 最近、天スギを介していろいろな方との出会いがあって、これからの天スギ調査がまた一段と面白くなって来ました。そして実感していることは、「天スギ」何ともマイナーな様ですが、実は天スギファンの方が大変多くいらっしゃると言うことです。また、「天スギ」はある意味象徴的シンボル的なもので、その根幹になるのは自然に対する敬い畏敬の念を持つことであり、「天スギ」を通して自然から学ぼうと言う姿勢の表れではないかと思っています。

 さて今回は「笠菅山・天スギツアー その3」として、先回ご紹介できなかった続きふたつの天スギをご紹介します。
 笠菅山の魅力は、大きな天スギ巨木があると言うことだけではなく、いろいろな天スギ、そしていろいろな世代の天スギがあることだと思っています。
 中ノ沢渓谷森林公園の展望台がそうですが、天スギ樹形の謎を紐解く鍵は、大きくなった天スギ巨木そのものよりは、その成長過程にある稚樹・幼樹から各成長段階の天スギが観察できることが一番の重要であると思っています。こうした多様な天スギがあることで、ただ単に巨木・樹齢と一面的な見方だけをすることなく、天スギのたくましさ、生き抜く力、本当の魅力を実感することができるのだと思います。

 さて前置きはこのくらいにして、次の写真を見てください。

    ブログ15-15

 先回ご紹介した「萌芽枝の立条更新」の天スギの上部にある天スギです。いや、と思われます。この周囲には植林したスギも多くありますので、断定はできません。
 写真右側、番号①②③と入れてあるスギを見て頂きたいのです。 
 まず①の部分を良く見てください。主幹が折れて右側の側枝が主幹に代わって成長しているのがわかります。次に②です。成長しましたが②のところでまた側枝が成長した主幹が折れて、複数の枝を成長させ、一番太い側枝が成長して③に、しかし③の部分でまた主幹の側枝が折れて、手前二本の側枝が成長しているのがわかります。
 これが、越後の豪雪地帯で成長する天スギの実情です。現実的な「立条更新」と言えますね。こうした天スギが何百年と生長して天スギ巨木となり、あの独特な樹形になって行くひとつの過程と思います。

 続いて次の写真を見て下さい。

    ブログ15-16    枝の成長

 先ほどの三段立条更新スギの左隣の天スギです。枝の①、②、③と見てください。一番下段にある枝は光を求めて水平に枝を伸ばし、中段にある枝は光を求めて右上斜め上に枝を伸ばしていますが、いまひとつ光が弱いのか枝が細いです。そして上段の枝③、最初水平に枝を伸ばしましたが、光を求めて真上に枝を伸ばし、しっかり光をゲットできた様で、太い枝振りとなっています。
 この天スギからは、いかに樹木にとって光が重要か、ある見方をすれば、他のスギの間でも、また自分のスギ枝の間でも、光の奪いあいの結果が樹形に樹冠になっているのだと思います。

 さて、天スギツアーを先に進めましょう。今度はちょっと変わった天スギです。

    ブログ15-17


 俗称「赤いスギ」です。この周辺の数本の天スギは、幹の色が赤いのです。高橋喜平著「日本の杉」の中でも「あかはだ」と言う名称で紹介されているスギがあります。同じものかどうかはわかりませんが、色が赤いのです。
 また良く見ると面白いことに気づきます。写真の矢印のところ、キツツキが穴を開けた様に小さな穴が縦に並んでいるのです。これはどう見ても枝が折れて抜けた跡と思うのですが、普通自然に折れた場合は幹に枝の折れた部分が残りますが、この天スギでは根元から根こそぎ折れて無くなったようです。この高さからすると雪害と考えられないので、一番の可能性は「風」と思います。この天スギのある場所は、地形的に風が強い場所で強風で枝が折れたものと思います。冬の季節風か、幹の西側の枝は全くありません。さらに可能性を考えれば、風によって樹幹の表皮も剥ぎ取られて飛ばされてしまう様なことが起きれば、樹皮の内側の色がでるので赤っぽくなる。こうした仮説はどうでしょうか。
 角度を変えて見ましょう。

    ブログ15-18    赤いスギ

 こうして見ると枝がすっぱり折れた跡を上から順番に樹皮で覆って来ていて、覆って膨らんだ部分が強い風を受けやすく、表皮が剥がれて赤っぽくなっている。こんな仮説も立てられますね。

 さて、今日は新潟の北部、山北の林業家を訪ね、スギのお話を聞いてくる予定です。そして、明日は先回で会えなかった笠菅山の巨木に会いに再チャレンジです。

 結果は、次回ブログでご報告します。乞うご期待!!
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コメント

杉は葉が細く、広葉樹に比べたら風の
被害は受けにくいと思いますが、
そう単純ではないのでしょうか。
冬でも葉を落とさない事が、逆に風や雪の
影響を大きく受けて枝が折れる原因になる?

風と雪

兎吉朗さん、いつもコメントありがとうございます。
葉が付いている時は、広葉樹も針葉樹も同じと言えるかもしれませんが、
冬、葉を落とし雪が積もらないで季節風を受ける広葉樹と
葉を残し雪が積もった状態で季節風を受ける針葉樹とは、風の影響がかなり違いますね。
ただ、スギの葉は良くできていて、雪が積もっても風が吹くと直ぐ雪が払い落とされてしまいます。豪雪地域で生き抜く天スギの知恵は大したものです。

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