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コラム(23) 「ナイロイド」って!?

みなさん、こんにちは天杉太郎です。
大変ご無沙汰してしまいました。約一ヶ月更新が滞ってしまいました。
年明けそうそうの副業の忙しさに加え、週末は大きな「スギノザウルス」製作中と言うことでご勘弁ください。
(書いてみたら思うところがありまして、このコラムは2/11に更新しました。最後の方を追記してあります。)

昨日今日と東京や東日本太平洋側では記録的な大雪。東京で27cm、大騒ぎでした。
中ノ沢でも久しぶりにまとまった雪が降って、30cm積もりました。大騒ぎしません。
今朝は新雪の後、晴れ間が覗いて、本当にきれいでした。冬2月の中ノ沢が最高!!
その時の景色を見てください。森林公園・展望台の天スギが一段と美しく見えました。

ブログ16-16

今回はこの天気に誘われて、新雪の雪景色の中、森林公園南側の天スギ調査に行って来ました。グリーンハウス管理人の神田信一さんが面白い天スギがあるよと知らせてくれていたのでした。その調査の時の一枚をご紹介します。

ブログ16-15

どうですか!? 天然スギです。 典型的な台スギ樹形です。この天スギは台スギのわりに根元幹部分が太くありません。今度じっくり調べてみたいと思います。またこの天スギ周辺には株スギが多く見られ、株スギの択伐利用の痕跡も確認できました。今回の調査の結果、森林公園周辺で遊歩道を使って、天スギと人との関りの様子を身近に見ることができます。「天スギ公園構想」を、さらにまた実現に向け前進させられそうです。

さて今回は、コラムとして「ナイロイドって?」をご紹介します。
実は先日、天杉日記ファンの方から「ナイロイドの意味をもう少し詳しく教えてください」との連絡を頂きました。
「ナイロイド」とは、ブログ・天狗の大杉・その5でご紹介した文中に使われた言葉です。
まずは、天狗の大杉・その5を読み返してください。 ⇒天狗の大杉 その5

最近こうした連絡を頂くことが多くなりました。
知らない内にいろいろな沢山の方々が「天杉日記」を見てくださっているのだと嬉しくなります。

さて「ナイロイドとは」、樹形の根っ子の部分の形状を表す言葉です。
以下の資料に基づき説明してみましょう。

s-ナイロイド

 図1を見てください。良く引用させてもらう「絵でわかる・樹木の知識」堀大才著 では、樹木の根元は湾曲しながら拡大するナイロイド形を示している。と記述されており、その図からも大体イメージはできました。
しかし、「ナイロイド」??聞いたこともありません、樹木の専門書を見ても言葉は出てきますが、その意味・定義の記述はありません。インターネットや電子辞書で調べても明確な定義は分かりませんでした。
 はたと困りました。が、そこは中ノ沢天然スギ研究会、「森林計測学」「森林計測学講義」大隅眞一共著 記述より定義を見出すことができました。その内容を要約すると以下の様になります。

 樹形の基となる幹の形・幹形を知ることは森林経営においてとても大事なことです。
 なぜならば、幹形を知ることにより、森林及びそこから生産される木材の材積(樹木の体積)の測定、そして理論からの推定が可能となるからです。
 そのためには、幹形を幹の各部分に近い形の幾何学的立体で表すことが必要となります。
 幹形は規則的ではありますが、単純な幾何学的な形態はしていません。そこで一本の樹木は、いくつかの基本的な幾何学的立体から成り立っていると考えることにします。図2を見てください。
 樹形は一般的な形として、梢端部分は円錐に近く、それに続く幹の中央部のうち、比較的上部は放物線体、真中から下の部分にかけては円柱に近い形となり、さらに幹足部分は根張りの影響の下にあって、ナイロイドに近い形を呈しています。ここで言う「ナイロイド」とは幾何学的立体のひとつの呼び名です。

 最後に、図3を見てください。今まで述べて来た幾何学的立体は図3で示す方程式において、rの値が0,1,2,3なる値をとるときの曲線のx軸の周りにおける回転体として定義されます。ある曲線をひとつの軸を中心に360度回したときにできる立体として定義しているのですね。

 わたしは林学が専攻ではなく化学が専門で、畑違いのなかでの聞き学問ですが、自然のもの、現象をできるだけシンプルに単純に表すことは重要です。
 ただ、この考え・理論はスギの人工林では可能でしょうが、天然スギでは成り立ちませんね!!

 今回「ナイロイド」の言葉の定義を調べるにあたり、幾何学的図形を用いてスギ樹形をモデル化し、統計学的に森林・木材生産の効率を考える。そんな時に森林公園南側の天スギとの出会って、思うところがありました。

 スギ人工林では、どのスギも同じ様に管理され、良くないスギは間伐され、節のないまっすぐなスギに仕立てられます。しかし、天スギを見ているとその一本一本の「個性」「生き様」を強く感じるのです。どれひとつとして同じ天スギはありません。厳しい過酷な自然環境に産み落とされたスギは、その地に根を張り、度重なる自然災害にも耐え、人の手による伐採利用にも耐え、今の姿となっています。
 スギには、もともと、どのスギにもこうした「個性」と「たくましさ」を持っているのだと。思うのです。
 
 どうしても擬人化しがちですが、ふとSMAPの「世界にひとつだけの花」を思い出しました。実は、私のカラオケレパートリーのひとつです。息が続かなくなりますが、とても良い歌です。

 次回は、遅れ遅れになっていますが、笠菅山の天スギツアー「一本台スギ!?」と題してお送りします。
 乞うご期待!!






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コメント

天スギを見ながら散歩できる公園、いいと思います。

ナイロイドについては、知識として勉強になりました。
現場で木を扱う人、経済的な観点から計算で木を扱う人、
それぞれの立場で見ると同じ木でも表現の仕方が
変わりますね。

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