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笠菅山・天スギツアー その8  「地を這うヘビスギ」

 みなさん、こんにちは。天杉太郎です。
 新潟の桜は満開です。昨日の日曜日、春うらら最高の天気の中、懲りもせず天スギ調査に出かけておりました。

 今回は森林科学館の明石さん親子と一緒です。本当~に気持ちの良い春の一日でした。 先々回の調査はショボ降る雨、先回は春の吹雪、竹内さん・高橋さんはどれほどこの春の日差しの中での調査を待ち望んだことか。しかし、今回お二人は用事でおやすみです。

 今回も良い出会いがありました。次の写真を見てください。りっぱな『ジダチ』の天スギです。

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 中ノ沢の人達は、変わった形の天然スギを『タッコギ』、まっすぐな天然スギを『ジダチ』と言っています。この天スギ樹形の区別した表現は、いかに地元の人達が天然スギと関わって来たのかの証でもあります。
 いつも株スギや台スギなど、変わった樹形の天スギばかり見て来ているので、根曲がりもなく、真っ直ぐ、しっかりと空に向かって伸びている姿は、これまた凄いです。感動します。

 さて今回は、笠菅山・天スギツアー その8 「地を這うヘビスギ」と題してお送りします。
 まずは、次の写真を見てください。

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 何これ!?って言う感じですね。もちろん断定はできませんが、これは複雑な『株スギ』です。
 どうもこれは二代に渡る株スギの様です。説明ポイントに番号を付けましたので、順番に考えて行ってみましょう。

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 初代の株スギは①と③の所で、これら初代株スギは②と④の所で伐採された様です。その後、二代目の株スギ⑤⑥⑦がその後成長したものと思われます。

 じゃあ「地を這うヘビスギ」はどこにいるのでしょうか?

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 赤い矢印。どうも、それらしきモノが居ますね。それでは、じっくり観察してみましょう。反対の山側から見て見ましょう。

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 先ほど説明した二代目の株スギ⑤の付け根部分です。ここから「地を這うヘビスギ」の始まりです。最初は枝だったと思います(S-1)が、(S-2)へと伸びています。普通は、伏状更新で地面に接してから上にヘビの頭を上げて行くのですが、このスギは下へ下へと伸びています。先を追ってみましょう。

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 あれ、どうも(S-2)は切り株を乗り越えて先へと伸びているようです。

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 (S-2)は初代株スギ③を乗り越えて先へと伸びています。③の伐採痕④も見えています。ここで注目すべきは、切り株を乗り越えて伸びている(S-2)の部分は、押しつぶされてと言うか、ひしゃげたと言うか、変形しています。
 今度は先の方(S-3)の方から見てみましょう。

    ブログ17-13


 この角度からは良く分かりますね。(S-2)で切り株④を乗り越えたのは良いですが、その後先へと伸びると同時に
また積雪期に雪の沈降圧で下へと押され、てこの原理ではないですが(S-2)の箇所で折れるぎりぎりまで押された、その結果がこの写真の様になったものと思われます。
 普通であれば、萌芽枝を伸ばし地面に接したところで発根、あて材を形成して上へ上へと幹を持ち上げて行くところですが、行けども行けども地面はなく、更に伸ばすと切り株が、ようやくそれを超えると雪で押され上に持ち上げるどころか、下に押し下げられています。

 それでも、

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 (S-3)より先では、幹を起こし(S-4)の様に上へ上へと幹を持ち上げています。何と過酷な世界でしょうか。
 「地を這うヘビスギ」どうでしたでしょうか?

 「地を這うヘビスギ」は、伏条更新で子孫を残すべく頑張ったのに、一度も地面に接することなく、一つの枝・幹として成長を続けているのです。 

 実は今回もうひとつご紹介したいと思っているのです。「マッチョスギ」です。・・・???。
 次の写真を見てください。赤い矢印⑦のところです。

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 どこがマッチョなの?もっと近づいてみましょう。

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 竹内さんが一緒です。大きさが大体分かりますね。それではどこが「マッチョ」か!?

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 筋肉マン。マッチョマン。人で言うこうした筋肉が、天スギではあて材に当たると思っています。
 そうなると、

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 冗談はこれくらいにしておきますが、赤い矢印部分を良く見てください。あて材が人の腕胸の筋肉の様に大きく成長しています。
 それでは「マッチョスギ」を反対側から見てみましょう。

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 これを見た時は、さすがに驚きました。  
 左の赤矢印部分は、あて材形成によるもの。右の矢印部分は、あて材形成で肥大した幹を支える為に成長した支持根によるものの様です。
 「マッチョスギ」たくましい、天スギの力強さを感じますね。

 それでは、次回も 笠菅山・天スギツアーをお送りします。
 乞うご期待!!


 

 
 

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コメント

ヘビスギは結局、一度も発根しないまま幹として
育っているのでしょうか。
最後に上へ向かって伸びた部分も重量としては相当な
ものだと思います。ジダチのように真っ直ぐ伸びていたら
重心のバランスもよいでしょうが、
あちこち曲がった幹、枝を根っこなしで支えているのが
不思議です。
根上がりの例を考えれば、切り株の上だとしても
発根してよさそうな気がしますが。

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