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大発見! 天然スギで造られた家 糸魚川・大所

みなさん、こんにちは。天杉太郎です。
ブログ工事が完了しました。これからは見やすい文字サイズでお送りします。

それにしても師走の大雪には参りますね。初雪で雪下ろしです。
でも、冬が雪が大好きな天杉太郎は、わくわくしています。


さて、今回は『大発見!天然スギで造られた家 糸魚川・大所』 と題してお送りします。
先回、「越後のスギ巡り 中越・上越編」の中で、糸魚川地域振興局の田中さんのご協力で大所の天然スギを見に行ったお話をしました。


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              b19-002.jpg  大所の天然台スギ


その時の天然台スギを見た時は、それはうれしかったです。我が意を得たり。そしてさらに驚いたことに、この天然スギを使って家を建て、今も住んでいることを聞いたのです。まあ、興奮しましたね。

そこでまた、田中さんにお願いして、12月6日土曜日に大所の区長さんを尋ね、直接大所の天然スギとその択伐利用についてお話を聞く事になったのです。

しかし、当日朝はあの大雪。新潟市内でも30cm以上積もっていたのでした。一瞬迷いましたが、愛車ハリヤーであれば雪は大丈夫、高速道路が閉鎖されなければ何としても行くぞ!と出かけたのでした。



無事到着できた大雪の大所です。

    b19-003.jpg  大雪の大所

区長の山岸さん宅を訪ね、奥さんが作った干し柿・トチ餅を頂きながら、大所の天然スギの択伐利用の実態をお聞きしました。干し柿、トチ餅本当に美味しかったです。トチ餅は砂糖を付けて頂きました。


    b19-004.jpg  山岸さんの干し柿

    b19-005.jpg  山岸さんのトチ餅


<山岸区長さんのお話>
・大所近くにある天然スギの山を「スギ山」と言い、スギは全て天然スギ。
・この周辺の天然スギは「クマスギ」で、雪に強い。
・大所の14戸のみ、「スギ山」から必要なスギを切り出して使ってよく、自分達だけで使うこと、他に売ってはならないと言うきまりがある。
・天然スギは、伐る高さ、時期があり、雪を利用して切り出す道は決まっている。
・山岸区長さんの生まれた年に今の家に改築、80年は経っている。柱は昔からの柱を残しているが、天井や板壁は改築時のもので天然スギを使い、木地屋の塗師に漆を塗ってもらった。漆のない襖板は、神代杉(地面に埋まっているスギ)を使っている。当時の様子を書いた孫じいちゃんの日記がある。
 

    b19-007.jpg  天然スギの板襖

    b19-008.jpg  天然スギの天井板

    b19-009.jpg  神代杉の襖板

・40~50年前に大所で2軒を焼く火事があり、この焼けた家を建て直す時に天然杉を切ったのが一番最近。火事は4月10日頃で、雪が無くなると作業ができなくなるので、使える天然スギを伐って降ろせるだけ降ろした。足りない分は近くの植林杉や広葉樹も使い、集落総出で造った家である。このときは移動製材を持ち込んで現地で製材した。

    b19-010.jpg  天然スギで再建された家


・その当時のことは区長さんは覚えているので、伐採して使った天然スギの場所を言えるとのこと。
・伐った天然スギを出すルートが一本ある。当時使った一本ぞり、二本ぞり、のこぎりなどなど、山岸区長さん宅の二階に現物がまだ保管されている。
・大所の周辺にはケヤキはないがキハダがあり、キハダは真直ぐ成長することから、高級な柱材となっている。区長さんの家の柱はキハダ。ケヤキの柱を使っている家は税金高い。
・大所は14戸で分家を認めない。分家には山を利用できる権利を与えないと言うきまりがある。大所の上にある木地屋地区にはトチ、ブナが多く、天然スギを使う権利は持っていない。(木地屋は木地師の集落)
・木地屋地区には当初9戸入植してきて、奥側の山だけ使う権利を与えた。手前側の山を使う権利は与えなかった(奥側の山は大所地区と木地屋地区の両方の住民が利用できるが、手前側の山は大所地区の住民のみが利用できる)。


    b19-011.jpg  木地屋集落

・ここでの生活では時間と手間は惜しまない。
・天然スギを択伐した木材は「素直だ」と言われている。

以上の様な貴重なお話を聞かせて頂きました。でも最後に、「天然スギ(変な形をした)自体には興味はなかったなあ~。」とおっしゃっていました。中ノ沢でも聞いたお話です。
びっくり仰天の大雪でしたが、季節はずれの大雪の中だからこそ、良い雰囲気で、良いお話を、しみじみと聞けた。そんな感じでした。

今回の訪問で、天然スギ択伐利用の実態調査の足掛りが掴めました。
それにしても大発見でした。天然スギを択伐した木材で家を建て、その時使った道具が今も残されている。そして、今もその家に住んでいる。

今後の天然スギ調査にとって最も大事なポイントが二つあります。
1.天然スギの不思議な樹形は、ある時期に人の手が入った結果によるものであることの実証
2.天然スギが択伐された年代、そして択伐された材の用途の特定

今までの、そしてこれからの天然スギ調査に最も大事なこれら事象を提供してもらえることになりそうです。

来年春、雪が落ち着いたところで、改めて大所を訪ね、山岸区長さんと共に「スギ山」の天然スギ調査し、そして、その材を使って建てられた家を見させて頂く予定です。
春が待ち遠しいですね。

最後に、この度ご協力頂いた、大所区長の山岸さんご夫婦、区長さんを紹介してくださった糸魚川市役所OBの船木さん、そしていつもお世話になっている糸魚川地域振興局の田中さんに心からお礼申し上げます。

次回も乞うご期待!!




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コメント

すっかりご無沙汰してしまいました。
山林での調査だけでは分からない部分も、
地元の方のお話から紐解くことができると
よいですね。

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