記事一覧

根っ子の大杉 その3

 みなさん、こんにちは。天杉太郎です。
 新潟は大雪です。中ノ沢渓谷森林公園の積雪は1m70cm。これからが冬の中ノ沢の一番美しい時期となります。中ノ沢にいると雪国の大変さはありますが、なんと美しいところなんだ~!と深く見入ってしまうのです。そして、こうした大雪の中でも天スギは元気です。この冬は、天然スギの稚樹・幼樹の積雪による埋没状態の調査を進めています。この様子も追ってご紹介します。

 さて、今回は「根っ子の大杉」の「本当の凄さ」をご紹介します。
 しかし、前もってお伝えしておきますが、今回の写真は地味です。が、その中にある「本当の凄さ」を見、読み、感じ取って頂きたいと思います。

 それでは、まず「根っ子の大杉」がどの様な場所・環境に居るのかを見て頂きます。

     nekko-22-1.jpg

 三階滝沢の岩肌が迫る沢筋に飛び出た小さな尾根の上に「根っ子の大杉」は居ます。それでは、この飛び出た小さな尾根を右側正面から見てみましょう。

   nekko-21-1.jpg これでは何だか分かりません。解説をつけます。nekko-21-2.jpg

 破線で表した尾根筋の途中に「根っ子の大杉」が居ます。画面の左側(下流側)には「大根っ子」が、そして右側(上流側)には、びっくり!するくらいびっしり!根が張り巡らされていたのです。スギ巨木なのだから当然では?とんでもない!とんでもない量の根がとんでもなく広がっていたのです。また、この「小根っ子」のあたりの土壌はこの画面では芽吹きも見えて肥沃に見えますが、とんでもない。

   nekko-23.jpg 上流側から小尾根を見ています。小尾根の右側(上流側)は、たび重なる洪水、そして雪崩で削られた剥き出しの岩肌です。下は岩肌、土壌は薄く、張り巡らされている「小根っ子」は、どれもが地表に根が露出しているのです。その様子を見てください。

   nekko-24-1.jpg     nekko-24-2.jpg     nekko-24-3.jpg     nekko-24-4.jpg

 写真では分かりにくいですが、おおげさではなく、斜面全部が根っ子と言ってもよいくらいです。
 何もない岩肌の小尾根の上で「腹がへって、腹がへって」「飢えて、飢えて」、あらゆる場所に根を伸ばし、水を食物を、さがしてさがして・・・・・。この場に行くと、ひしひし!と感じるのです。

 ここであらためて、「大根っ子」側を見てみましょう。

   nekko-22-2.jpg  解説をつけました。

 「大根っ子」側は小尾根の下流側、水のよどみができる場所で、赤い破線で囲んだあたりは肥沃な堆積土壌となっています。いつの時か「小根っ子」と同じ様に伸ばしていた根の先っぽが、この肥沃な堆積土壌に達した途端、栄養たっぷりのミルクをゲットし、その後そこからもっともっとミルクをゲットしようと根を肥大成長させたのでしょう。その結果が「大根っ子」になったと考えています。

 「根っ子の大杉」の「本当の凄さ」は、「大根っ子」の太さ・大きさばかりではなく、非常に過酷な生息環境の中で、「小根っ子」を可能な限り伸ばし必死に生きようとしているその姿そのものだと思うのです。「ヨドの天スギ」の凄さ・特徴は「根っ子」にありますね!

 最後に、もう一度この解説付き画面を見てください。この画面の上の方、「根っ子の大杉」の左側には、「根っ子の小杉」、「根っ子の中杉」と並んでいます。「根っ子の中杉」の根元は、実は地面の崩壊が始まっているのです。しかし、それでも・・・・。

   nekko-25.jpg  それでも、太い根を伸ばし必死で生きています!脱帽!

 次回は、「清盛氏からの宿題」「根っ子の赤ちゃん」についてお話します。
 乞うご期待!
スポンサーサイト

コメント

天杉太郎さん
「大根っ子」の生命力にまたまた感動しました。
口ではいえない、言葉を持たない杉の生命力というより、生に対する執着心の迫力を
感じます。
次回も楽しみにしています。
感動をありがとうございました。
                  芽空洞子

こんばんは。
今年は本当によく雪が降りますね。根っ子の大杉も
雪にすっぽり埋まっているのでしょうか。幹だけでなく、
根っ子も地表に出ていて、想像すると本当に寒そう。

今回の1枚目の写真を拝見すると、根っ子の大杉は
枝というか葉っぱの茂り具合も立派に見えます。
小杉、中杉はまだまだこれから成長するのかな。

何年くらいで大杉レベルになるのでしょうか。

樹齢

芽空洞子さん、兎吉郎さん
いつもコメントありがとうございます。根っ子の大杉の樹齢は?
次回、「清盛氏の宿題」の中で樹齢を知る鍵が出て来ます。
お楽しみに!

コメントの投稿

非公開コメント

天杉カウンター

プロフィール

天杉太郎

Author:天杉太郎
FC2ブログへようこそ!

最新トラックバック