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根っ子の大杉 その4

 みなさん、こんにちは。天杉太郎です。
 「天杉日記」の舞台、「中ノ沢渓谷森林公園」は、記録的な大雪でした。2月3日の夜は一晩で75cmの積雪を記録しました。
 ブログの本題に入る前に、次の写真を見てください。雪に埋まる森林科学館とこの大雪でも元気な「天杉四郎」の勇壮です。

           雪に埋まる森林科学館                   天杉四郎

 腰まで埋まるラッセルでしたが、吹雪でゆれる天スギは動く生き物の様で、またどっしり構えるその姿は「荘厳」でした。

 それでは、今回はテーマは「清盛氏からの宿題」です。
 「根っ子の大杉」の調査が一段落ついた時です。スギの専門家・清盛氏が「この辺りの天スギの幼木の年輪を調べておいてください。」と、宿題を残されたのでした。
 そこで「根っ子の大杉」の上側にちょうど枯れかけた幼樹がありましたので、拾って年輪を調べてみることにしました。
 森林科学館に持ち帰り、明石さんに頼んで高速カッターで根元から枝先へと四箇所切断して、その切断面を観察することにしました。全長1m40cm、太さは約1cmです。まあ表現すれば「天スギの赤ちゃん」ですね。その切断したときの様子です。根元側から順番にⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳと番号を付けました。

          nekko-26.jpg

 切断面から年輪数を読み取ろうとしましたが、細かくて良く見えません。ルーペで見てもダメ、デジカメでマクロ接写して見てもダメです。最後仕方ないのでスキャナで読み込んでみました・・・。すばらしい!鮮やかにパソコン画面上に年輪を映し出すことができました。それでは、そのスキャナ画面を見てください。みなさんも年輪数を数えてみてください。

nekko-27.jpg


 ひと言、驚きでした。わずか1cmたらずの幼樹で年輪数が40個です。「天スギの赤ちゃん」などとは呼べない、人に例えれば立派な大人、中年40歳でした。根元から枝先に行くにしたがって年輪数も少なくなっていきます。

 それに年輪の中の色が濃い部分、前にもご紹介した「あて材」が見えます。「あて材」とは雪圧などで曲がった幹を元に戻すべく真直ぐにしようと特別な組織を作っているのです。根元に近いⅠでは「あて材」は年輪の一方向によっています。これが普通の状態です。Ⅱ・Ⅲ・Ⅳと見てください。「あて材」があっちこっちに出ています。これは、雪などで幼樹がねじれその状態でかなりの年月が経ちその時々の「あて材」が作られたものと思われます。

 みなさんが良く知っている植林されたスギの場合、直径30cmで伐採の時期を向かえ、そのときの樹齢は大体35年くらいです。しかし、「根っ子の大杉」の生息環境では、40年経ってもわずか1cmです。いかに厳しい貧しい環境かと言うことがお分かり頂けると思います。

 それではここで、先回ご紹介した「根っ子の大杉」周辺の写真を改めて見て頂きたいのです。

          nekko-22-2.jpg

 「根っ子の大杉」「根っ子の赤ちゃん」「根っ子の小杉」「根っ子の中杉」が見えますね。実は、スギの専門家・清盛氏とは次の様な問答があったのです。

 「天杉太郎さん。この幼樹(根っ子の赤ちゃん)いくつだと思いますか?」
 「太さが1cmくらいなので、三年、三歳くらいだと思います。」
 「ははは! 私の見立てでは30年から40年はたっています。」
 「ええ!まさか!わずか1cmですよ!」
 「それでは、これが30年として、すぐそこのスギ(根っ子の小杉)は何年だと思いますか?」
 「直径が10から20cmですので、ざっと300年になります。」
 「それではその先のもっと太いスギ(根っ子の中杉)はどうですか?」
 「直径が60cm以上ありますね。と言うことで、エイヤで1000年です!」
 「それでは、天杉太郎さん。振り返ってその大杉(根っ子の大杉)は何年ですか?
 「直径が2mくらいは十分あります。と言うことは『2000年?!』

 実はこうした問答があったのです。だからこそ清盛氏が残された「清盛氏の宿題」で、スキャナ画面で年輪数を数えたときは、本当に驚いたのでした。
 もちろん年輪数と樹木の大きさが単純に比例するとは言えませんが、「根っ子の大杉」をはじめ「ヨドの天スギ」は予想以上に樹齢が経っていると言えそうです。

 それでは、次回は「根っ子の大杉」の「穴」についてご紹介します。乞うご期待!
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コメント

こんにちは!
凄い雪ですね!
裏五頭の森林科学館がクリスマスケーキの上に乗っかった小さなお家ですね。

天杉の年輪、感動ものですね!
年輪をスキャナーで数えることを思いつくのもすごいし、その小さな枝で、数十年。
大杉でざっとで2000年!
あっけにとられました。⇒感動⇒荘厳な思い⇒自然の雄大さ⇒自分(人間)の小ささを実感
またまた、感動(感動以上です。)をありがとうございました。
                         芽空洞子 記

豪雪の中での天杉の調査、
大変貴重な写真ですね。

年輪の写真も、一本の木を根元から先端まで
並べて見るのは初めてで、面白いです。

年輪を一つ一つ数えたいところですが、
本当に細かくて数えられませんでした。
(うちのパソコンのせい?画像が拡大しませんでした。)

外側の年輪5本くらい、間隔が広くなって
いるように見えますが、ここ数年で
急成長していたということなのかな?
根っ子の大杉のように頑張って根を伸ばして、
ようやく栄養にありついたのかもしれませんね。

木はみんな同じように育つと思っていたので、
幹の太さだけで樹齢を判断できないのだということが
勉強になりました。有難うございました。

また次回の更新を楽しみにしています。

雪の中での調査、くれぐれもお気をつけて。

年輪年代学

樹木の年輪はその樹形と共に、その樹木の生き様を語ってくれます。
世の中には「デンドロクロノジー(年輪年代学)」なるものがあって、
正確な年代測定のみならず、過去の気候についてもいろいろなことを教えてくれます。
年輪が対応するのは気温と降水量の組み合わせが主で、普通は前の年の天候と言われています。
「ヨドの天スギ」の場合は、これら要因よりも、根っ子が良い栄養層にたどり着けるかが一番大事のようですね。

え!!

1.1㎝で40年? えーと私は28㎝で62才 飽食ですくすく育ちすぎました。
1.1㎝で年輪40てーことは2で割ると5.5㎜40、年輪巾は0.137㎜ マイクロスコープものですね。
古木を木材として利用すると、建物が数百年長持ちするのが、ようやく判ったような気がしました。
この凄い雪の中天杉四郎までラッセルとは、貴重な写真、ご苦労さまでした。
次回の更新楽しみに待っております。

認識させられました

 写真に写っていた角田さんの高校の同級生です。 

同じ同級生の神子島君から電話で聞いて閲覧しました。 神子島君と1回だけ北アルプスに行った事は有ります 
が、夏だったので真冬のこの調査にはびっくりです。 死ぬなよ、悦男!! 

 それにしても1㎝で3~40年とは本当にびっくりですね、あの大杉ともなると、縄文杉といい勝負ですね。                                                  そのうち素人も行ける季節になったら行ってみたいものです。その時は宜しくお願い出来ますでしょうか・・・

植林・間伐材との比較

兎吉朗さん、平岡さん、佐藤さん
コメントありがとうございます。
本当にこの清盛氏の宿題の結果には驚きました。天スギの魅力倍増です。
近いうちにコラムで植林・間伐材との比較をご紹介する予定です。
みなさん、この春には必ず中ノ沢渓谷森林公園の天然スギを見に来てください。
写真ではお伝えできない真の迫力を感じて頂けるものと思っています。

もうお一人

芽空洞子さんもこの春は必ず中ノ沢渓谷森林公園をお尋ねください。
お待ちしています。

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