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天スギ積雪埋没状態調査隊 その7

 みなさん、こんにちは。天杉太郎です。
 今回は「積雪埋没状態調査隊 その7」として、先回のM-1に引き続きM-2をご紹介すると共に、M-3・M-4も含め「積雪深と樹長の関係による埋没状態の違い」について、ご紹介したいと思います。

 まず、改めて今回の積雪埋没状態調査の対象のM-1・2・3・4を見てみましょう。

MB7-1.jpg

 この写真は12月23日の状況ですが、この後積雪により埋没して行きます。

 M-1は、樹長2m、幹の付け根・樹径5cmの幼樹で、しっかり埋没。

 M-2は、樹長4m、樹径10cmで、岩の上で成長、埋没から離脱。

 M-3は、樹長6m、樹径10cmで、しっかり埋没、幹の根っ子化(根株化)が継続。

 M-4は、樹長8m、樹径20cmで、既に埋没から離脱。

 この様に樹長(樹高)により積雪による埋没するしないが異なります。
 ここで、その4でご紹介した、豪雪地帯林業技術開発協議会編「雪国の森林づくり」から「積雪深と樹高の関係による雪害の変化(平・1987に加筆)」を引用させて頂きます。

   雪-1     MB7-2.jpg

 この引用文には、積雪深と樹高による埋没状態の違いがイラストで分かりやすく説明されています。引用文の下の段、豪雪地帯(2.5m以下)を見ると、

 樹高2-3m:地面にほぼ密着、根系の損傷、幹の根株化が始まる
  (M-1)

 樹高4-5m:根返り、根元割れ、幹割れ発生
  (M-2)

 樹高6-7m:雪面から抜け出し始める。根元割れ、幹割れ、幹の根株化顕著
  (M-3)

 樹高8m以上:幹の根株化により倒伏しにくくなり雪面から抜け出す
  (M-4)

 括弧にM-1・2・3・4を対比させてみました。
 M-1・4は引用文と同じ状況ですが、M-2は岩の上の為か埋没から離脱しており、M-3は逆に積雪が多い為か、根株化がまだまだ続き、埋没からの離脱は当面先の様です。
 以上の内容を頭に置いて、M-1から順に見てみましょう。

   MB7-3.jpg   M-2が岩の上から張り出しているのが良く分かります。

 次に、岩の上の「M-2」の様子を見てください。積雪はありませんが、積雪埋没による幹の状態変化をコメントしてあります。

MB7-4.jpg

 起き上がった幹の先の部分の様子も見てください。

   MB7-5.jpg

 通常の斜面であれば、まだまだ積雪により埋没状態が続いていますが、岩の上では、積雪による沈降圧が掛からない為、早い段階で幹が起き上がっています。
 この「M-2」と対照的なのが、次の「M-3」です。

   MB7-6.jpg


 積雪はありませんが、左の「M-4」は2月の最大積雪深の時でも埋没せず、右の「M-3」は同時期しっかりすっぽり埋没していました。この様子は次回以後ご紹介します。ここで見て頂きたいのは、次の写真の「幹の根株化」です。

MB7-7.jpg

 「M-3」は今も雪に埋没し、いつか雪面から抜け出せる様にと幹を根に変え、幹を先へ先へと伸ばしています。今は雪面から抜け出た「M-4」も幹を根に変えていた状態が分かります。しかし、この間、根元割れ・幹割れと常に大きなダメージを受け続けて来ていたと思われます。
 しかし、岩の上の「M-2」は、早い時期に積雪による「沈降圧」から開放され、しっかりとした幹の成長が可能になっていたと思われます。この状況が「ヨドの森」の生態の鍵かと思っています。

 最後に天然スギの今まで過去に起きたいろいろな出来事を自らの体に刻み込み、体全体で表現している「樹木の言葉=樹形=樹木のボディーランゲージを読み解く解説書が揃いましたので、以下にご紹介します。特に今年の6月20日発行された、堀大才著「絵でわかる樹木の知識」は待望の一冊でした。

   MB7-8.jpg

 次回は「M-2」「M-3」の埋没状態についてご紹介します。乞うご期待!!



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コメント

埋没状態のイラストを見ながら写真を見ていると、
どういう視点で(予想をたてて)調査をされていたのかが、
よくわかりました。

実際は斜面であったり、岩の上だったりとテキストどおりでは
ないところが自然相手の面白いところなんでしょうね。

写真では、M-3は、幹の根株化によって幹が短くなって
かえって樹高が低くなってしまうのではないかと思います。
埋没後に立ち上がる時に必要な根っ子なのでしょうか。

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