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コラム(7):あなたは幹?それとも根?

 みなさん、こんにちは。天杉太郎です。
 今回は「兎吉朗」さんのコメントの質問に答えるべく「コラム(7):あなたは幹?それとも根?」としてまとめてみました。次回予定の「根っ子化するM-3」の紹介のためにもなると考えました。

      Y-4.jpg     ヨドの森 Y-4

 「ヨドの森」の天杉を見て行くと、最初に感じる疑問があります。  
 「あなたは幹?それとも根?」 「どこまでが幹?どこからが根?」 と必ず疑問に思います。

 普段、目にする樹木は、幹と根の区別は簡単。地上に出ている部分は幹、地面の中隠れて見えない部分が根。
 しかし、「ヨドの森」の天杉は違います。地面と言える場所がなく、岩の上に幹?根?が露出しています。だからこそ普段目にする事が少ない根の様子が見えるので、その凄さを知り理解することが出来ると言えます。

 それでは、幹と根の区別はどの様に考えればよいのでしょうか。
 インターネットで調べてみると
 「樹木の幹と根の境界をはっきりと見定めることは困難なことです。根の特徴は、葉っぱが発生しないことと、維管束(中学の理科で習いました)の篩管(葉で作られた養分の通り道)、道管(土中の水・養分の通り道)が離れて中心柱と言う囲いの中に配置していること。幹と根の境界領域は、たくさんの鉄道路線が交差する複雑な切り替えポイント部分をイメージすれば良いです。」
 とありますが、結論は概観では分からず切ってみなければ分からない。と言うことになります。

 次に、根の構造と機能を考えてみましょう。
 根には、根細胞が幹の木部と同様に木質化した根と木部が未発達な細根・根毛があります。
 木質化した根は、養水分を吸収する能力は低く、幹と同様に樹体の支持や水分と無機養分の運搬の役割を果たしています。
 細根・根毛が、水分と無機養分の吸収を行っています。

 これら根の役割をさらに簡単に言ってみると次の様になりますでしょうか。
 ひとつは、誰もが知っている根(細根・根毛)による地面の中の水分や養分の吸収です。もうひとつは、木化した根による樹木を支える役割です。
 ややこしくなりますが、天スギの場合は、「木化した根」と「根化した幹」があると言う事になります。本当にややこしい!

 「ヨドの森」の天杉は、この両者の役割から考えても「根」が大変重要な役割を担っていると言えます。岩の上での成長です。養分はもとより水分も極めて限られています。生き延びて行くには執拗にあらゆる方向に根を伸ばして行かなければなりません。

 そして岩場の上での成長と言う非常に不安定な体勢の上に、冬場は積雪による強烈な荷重が掛かります。
 こうした状況の中で樹木を支えて行くために、樹体のバランスを考え、支えるべき場所に、肥大成長を促し、既にある根?幹?をさらに伸ばし、押し曲げ、強固にして、樹体を支えます。この体勢立て直しはすぐ出来る訳ではなく、年輪を見ても分かりますが、毎年毎年のわずかな成長の中でその成長のさせ方・大きさを変えて、少しずつ少しずつ体勢を立て直して行くのです。
 木の遠くなる話です。

 最期に樹木をはじめ植物に関する専門的な質問でも、素朴な質問でも答えてくれるサイトを見つけました。
 「日本植物生理学会・みんなの広場・質問コーナー」です。
 近いうちに「天スギのふしぎ」を質問してみたいと思います。

 次回は、「根っ子化するM-3」をご紹介します。乞うご期待!!
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コメント

太郎さん、ご丁寧な解説有難うございます。

根っ子について、勉強になりました。
地表に出ている根っ子に見える部分は、木化した根か、
根化した幹ですね。表面は木化しているから多少の
乾燥は大丈夫と。
全体のバランスを取って支える、という目的でみると、
木化した根も、根化した幹も、同じ。
同じ働きをしているから外観も似ていて区別しにくい。
というように理解しました。

幹と呼ばれようが、根っ子と呼ばれようが、
天杉自身にとっては大事な支えであることには
間違いないですね。次回M3を楽しみにしています。

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