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コラム(8):天スギのボディランゲージを読み解く

 みなさん、こんにちは。天杉太郎です。
 今回は、コラム「天スギのボディランゲージを読み解く」と題してお送りします。
 まず、コメントなしに各天スギのサムネイル写真をクリックし、大きくしてご覧ください。


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 Cryptomeria japonica : Their Natural History 
 (Trees:Their Natural History by Peter Thomas の原書題名を引用させていただきました)

 天スギの樹形には、厳しい自然環境に耐え生き抜いてきた記録が残されており、これによって我々は彼らの過去の歴史を、生き様をかいま見ることができるのです。
 この生き抜いて来た記録は、樹木の発する言葉「樹形として現われるボディランゲージ」から読み取ることができます。
 彼らは彼らの生き様を彼らのからだいっぱいに表現しています。
 この言葉を読み解き、理解できれば、我々は彼らがいかに厳しい環境の中でたくましくひた向きに生き抜いて来たかを知ることができるのです。
 しかし、このボディランゲージは「知識を持った目」のみ読み解くことができます。我々が「知識を持った目」を持てば、天スギたちは雄弁に自分達の生き様を語ってくれます。
 「越後の天杉日記」では、この天スギのボディランゲージの読み解き方を、試行錯誤しながら、お伝えできればと思っています。


 杉巨木に出会ったときの「主観的」な印象・イメージからその魅力を感じることは、しごく大事であると思います。(これが一番だと思っています。)
 しかし、その樹形や樹木が発する多くのサイン・兆候を見逃さずに調査・解析するという「客観的」な視点からも見ることにより、天スギの魅力をさらに見つけ出し、発掘することができると思っています。
 近年の天スギブームについて、もし、天スギ巨木の大きさ・樹齢・変わった奇妙な樹形という視点だけで、そして見る人だけの印象だけで世に紹介されてしまうと、一時のブームで、表面的な魅力のみ紹介されて終わってしまうのではないかと心配しています。


 それではどうやって樹形や樹木が発する多くのサイン・兆候を、そして樹木の発する言葉「樹木のボディランゲージ」を読み解くことができるでしょうか。参考書となる本をを探しました。
 しかし、森林生態学や樹種の同定に関する本は多いのですが、「木」そのものについて、まして樹木が発する多くのサイン・兆候を解説してくれる本にはなかなか出会えませんでした。
 そんな時ひょんなことから出会った本が、街路樹診断協会発行、クラウス・マテック博士著「樹木のボディーランゲージ入門」であり、堀大才・岩谷美苗著「樹木の診断と手当て」でした。
 これらの書籍は、森林関係者には馴染みが薄い、街路樹・公園樹・庭木の手入れと言った造園業に関連したものでした。(お薦めの関連書籍を以下にご紹介します)

      参考書

 街路樹、公園神社の樹木、そして庭木といった樹木の手入れ・治療のための診断方法を天スギのボディランゲージを読み解くための方法として応用してみたのでした。
 結果は、面白い面白い。本の各章を読んでいると、その事例にあたるケースが、今まで見て記録してきた沢山の天然スギの特徴に一致して行くのでした。
 我が意を得たり。うれしかったです。


 そして、樹木のボディランゲージの読み解き方と共に、その実習場として中ノ沢渓谷森林公園は、天スギ観察の格好のフィールドだということをあらためて思いました。中ノ沢渓谷森林公園は「天スギパーク」とよびましょう!
 ブログで紹介して来ました展望台周辺の天スギ調査、積雪による埋没調査を通して、あらためて認識させられました。樹木のボディランゲージを読み解く方法をさらに学び、公園周辺の天スギ達をあらためてしっかりと見直してみたいと思います。
 今年たずねることのできた「富山のタテヤマスギ」「佐渡の天スギ」のそのスケールの大きさ、多様性、奥深さに圧倒される中で、こうした基礎調査を通しての知識・経験が、日本中の天然スギの魅力を発掘するためには、本当に大切であり、大いに役立つとつくづく思ったしだいです。


 天スギの調査をずっと続けて来て、今も思い、これからも言い続けて行きたいことは、彼らの生きる姿 「Never give up !」 です。


 日本固有の一属一種の「スギ」、日本文化=木の文化を支えてきた「スギ」、目先の営利のために乱植された「スギ」、自然破壊・花粉症と現代人に最も嫌われた「スギ」。
 しかし、ここで「スギ」本来の、言い換えれば「天スギ」の魅力・生き様を正しく世に伝え、復権させ、「天スギ」の生き様から多くのことを学ぶべきだと思うのです。


 「Never give up !」 どの様な、いかなる過酷な環境に生み落とされたとしても、その場所・環境で、その時々に最善を尽くし、決してあきらめることなく、生き抜いていく。
 それこそ、何千年も前から伝承されて来た本当の意味での「大和魂」と言えるのかもしれません。


                                 天杉 太郎
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コメント

ボディーランゲージという言葉が人間と
樹木の間に成り立つというのも面白いですね。

杉について専門的な知識はなくても、
今までのブログで十分に天然杉の凄さは
感じることができていたつもりでした。

そこから、さらに追究していけるのは
さすが研究者ですね。今回のブログで
杉への愛の深さを感じました。
より多くの人に杉の魅力に気付いてもらえると
いいですね。

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