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天狗の大杉 その6

 みなさん、こんにちは。天杉太郎です。
 中ノ沢渓谷森林公園もすっかり秋らしくなって来ました。イタヤカエデの葉っぱが最初に色づき始めました。
 中ノ沢で呑むお酒も「麒麟山」の熱燗になりました。実に旨い!「よき森、よき友、よきお酒」ですね。

 お酒の話はこれくらいにしまして、今回は、天狗の大杉 その6 「Big Accident」と題してお送りします。
 「Big Accident」天狗の大杉で一体何が起きたのでしょう? それでは8年前からの天狗の大杉を見て行きましょう。

 まず2004年12月19日、最初に天狗の大杉を見に行ったときの遠景です。

    天狗-7(2) 

 天狗の大杉、すぐわかりますね。他のスギと明らかに樹形が違います。
 それでは、もっと近づいて見てみましょう。

    天狗-9(2)    黄色い矢印箇所に注目!

 まあるい樹形ですね。あれ?! 右下黄色い矢印箇所は、枝ぶりが少ないです。どうしたのでしょうか? このことは後で説明することとして、6年後2010年11月27日の天狗の大杉の遠景を見てください。

    天狗-24(2)    2010年11月27日

 あれ、あれ?! 天狗の大杉の右下部分が一段と枝振りが減っているように見えませんか! さらに白い主幹らしきものも見えています。どうしたのでしょう?
 さらに主幹間近から見た次の写真を見てください。

    天狗-26(2)    天狗の大杉・主幹  

 一目瞭然ですね。天狗の大杉の太い大枝が折れていたのです。番号①は2004年12月19日にすでに確認されていた大枝の折れた箇所。番号②の二つの箇所は2010年11月27日に確認されたものです。
 ポッキッと折れたなどと言うものではなく、強力なあて材で強引に曲げられた大枝の湾曲部分にそって引きちぎられた、そんな感じです。
 詳しいお話は後にして、さらに一年後の同じ日、2011年11月27日の遠景を見てください。

    天狗-25(2)    2011年11月27日

 あれ、あれ、あれ?! 今度は天狗の大杉、左下部分の枝振りが少なく、主幹が一本はっきりと見えています。一体どうしたのでしょう?
 さらに主幹に近づいて2010年11月27日と一年後の同じ日2011年11月27日にスギの専門家「清盛」氏と天狗の大杉をたずねた時の写真を比べてみましょう。

    天狗-27(2)    2010年11月27日    天狗-28(2)    2011年11月27日

 二枚の写真の対比で、①2004年12月19日確認箇所と②2010年11月27日確認箇所に、③として2011年11月27日確認の二箇所が加わったことがよくわかります。一年の間にさらに二本の大枝が折れてしまうとは・・・・。まさに「Big Accident」です。先ほど紹介した2010年11月27日写真を使って別な角度から見てみると、なおよくわかります。

    天狗-26(3)

 以下の写真は、折れてしまった①②③の大枝が地面に落ちた様子です。

    天狗-31    天狗-29    天狗-30

 天狗の大杉は、近年の間に①が一本 ⇒ ②が二本 ⇒ ③が二本と計5本の大事な大事な大枝を失ってしまったのです。

 ここで先回ご紹介した「樹形の意味」を思い出して頂きたいのです。「樹冠の形」は風で揺れる枝のわずかな時間差で風の荷重を打ち消し合わせ、「樹幹・大枝の形」は力学的にみても風荷重に対し強い構造となっており、「枝と幹の間・叉」は枝と幹の連結部分としての特殊な非常に強い構造を持っています。大きな樹冠を持つ孤立木ほど強い風に曝されるのですが、その「樹形」はとても風に強い構造になっているのです。

 しかし、今回ご紹介した天狗の大杉の「Big Accident」を見ると、今から7年以上前に折れた箇所が「風穴」となって、そこから樹冠内部へと強風が入るようになり、枝同士で風荷重を打ち消すことができなくなり、次の一本が損傷し、するとさらに次の一本がと連鎖的に被害が拡大していったものと思われます。

 しかし、こうした「Big Accident」が起きても、その大枝の損傷の仕方は決して主幹を傷つけることはなく、大枝を失っても主幹を根元から倒れさせることは絶対にさせないように見えます。

 「天狗の大杉」は、「ヨドの森」の天スギとは異なった厳しい自然環境、試練の中で生きており、このスギからもその過酷な環境の中で生き抜く力強さを感じずにはいられません。
 これからも「天狗の大杉」の復活ぶりを年月をかけて見守って行きたいと思いますし、折れた大枝の調査を進め、年輪からの樹齢の推測、破損損傷の仕方も調べてみたいと思っています。

 次回からは天スギの山・「笠菅山」をご紹介していく予定です。乞うご期待!!



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コメント

「大清盛」調査

平岡さん、兎吉朗さん
天杉太郎です。なぜか今台湾におります。
今度の日曜日28日「大清盛」の調査は予定通り行う予定です。
週間天気では曇り時々雨になっていますが、状況判断で行います。
当日7時半までには森林科学館前に集合お願いします。
三度目の正直、今度こそは「大清盛」に会ってきたいです。
よろしくお願いします。

大清盛

28日 よろしくお願いします。

根元に近い、大きな枝から折れていったの
ですね。写真で周りに写っている、まっすぐな杉は
年月を経てもあまり変化はなさそうですよね。
樹形というか枝の形が、風に対する強度の差に
なったのでしょうか?単純に他の杉は若くて
しなやかなのでしょうか。

天杉調査

昨日は大変貴重な体験ありがとございました。
写真もなかなかうまく撮れました。ブログにアップしました。
また機械がありましたら連れていつて下さい。
ひさしぶりにワイルドな体験楽しい一日でした。
写真データー、アドレスにお願いします。

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