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コラム(13) 「あがりこ」

 みなさん、こんにちは。天杉太郎です。
 師走が近づいて来ました。あっと言う間の一年でした。

 今回は、本題「天スギの山・笠菅山」に入る前にどうしてももうひとつ「コラム」を入れさせてもらおうと思います。
 実は、「最上の天スギ」との出会いの後、天スギに対する見方に大きな変化が出てきました。このことはすでに「ヨドの森」Y-1、Y-7、Y-10と調査をしたときから、「清盛氏」の助言があり、気がついていたことでした。

 「天スギと人との関り」です。
 「天然スギ」と言えども、人との関りなくしてその樹形、生態は語れないと言ったところでしょうか。

 「天然スギ」の樹形は、自然環境と人的環境の影響を受けて、長い年月の中で形づくられて行くのではないでしょうか。「人的環境」とは、昔の人達が自然との共生の中で木を利用して生活して行く環境のことを言います。「里山」もこのひとつと言えます。

 「最上の天スギ」の訪問した際、良き支援者・竹内さんが準備してくださった「あがりこ」の資料が、これに拍車をかけました。「最上の天スギ」は、そのほとんどがスギの「あがりこ」ではないかと考えられます。

 「あがりこ」、初めて聞くことばでした。調べてみると色々な樹木の「あがりこ」があり、その「人的環境」、歴史的背景にもまた、興味を掻き立てられるのでした。樹木と人との関りを調べるためには、「ヨドの森のY-10・清盛」として紹介した「根上がり木」と、この「あがりこ」がとても大事な意味を持っていると思います。

 Google検索で「樹木 あがりこ」で調べてみてください。たくさんの「あがりこ」が紹介されています。特に興味をそそられているのが、「鳥海山」中腹「あがりこ大王」「むら杉」であり、京都・芦生の「アシュウスギ」です。来年の「天スギ訪問」では、この二箇所は是非とも訪ねたいと思っています。

 検索サイトで調べてみて、お薦めの3つのサイトをご紹介します。
 まず、見て頂きたいのがこのサイトです。
  「日本における台伐り萌芽の系譜」

 そして、「アシュウスギ」がよくわかるサイトです。
  「芦生原生林の博物誌」

 最後に、「あがりこ」が非常にわかりやすくイラストで解説されているサイトです。このイラストはすばらしい。私も天スギ紹介のために水彩画の勉強を始めることにしました。
  「あがりこ型樹形」


 これからの天スギ調査でとても大事なことは三つあると思っています。

 まず一つ目は、天スギの稚樹・幼樹の徹底した観察です。樹形の大半は、稚樹・幼樹の時に決まるからです。こうした観察には、中ノ沢渓谷森林公園の「展望台」周辺、そして次回から紹介する「笠菅山」が絶好の観察フィールドとなります。

 二つ目は、「樹木のボディーランゲージ」を読み解く知識をしっかり身につけ、読み解く目を養うことです。すでにご紹介している「樹木の診断と手当て」「絵でわかる樹木の知識」「樹木学」「樹木のボディーランゲージ入門」といった書籍の勉強で得た知識をもとに多くの樹木のボディーランゲージを読み解く実践を積むことです。

 そして三つ目は、日本中の天スギを訪ねて回ることですね。天スギが生息する自然環境と人との関り合いを含め多くの天スギを訪ね、直接自分の目で見て触って感じてみることだと思っています。


 最後になりますが、ブログに一枚の写真もないのはさびしいので、「最上の天スギ」の中からとてもユニークなスギをご紹介します。

s-小杉の大杉

 どこかで見たかたちですね! 「小杉の大杉」、別名「トトロの木」です。
 次回から「天スギの山・笠菅山」がスタートします。乞うご期待!!




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コメント

「あがりこ」 という言葉自体が聞き慣れないので、
方言なのか専門用語なのか、不思議な言葉ですね。

根あがりとあがりこの関係はどうとらえたら
よいのでしょうか。
あがりこの技術がない時代に、結果的に根あがりが
育ってしまったのか、同時期でも地方ごとにまたは、
目的を持って、根あがり(切り株)にしたり、あがりこに
したりしていたのか。両方が存在する森も
あるのでしょうか。

あがりこの由来

兎吉朗さん、いつもコメントありがとうございます。
「あがりこ」について調べたところ、以下の様な記述がありました。

「あがりこ」とは、「ブナの奇形木」を指す東北の方言で、「特殊な萌芽更新」による樹形を言う。伐られた部分はやがて癒合し、大小のグロテスクなコブとなった。また、伐られた部分から萌芽し、成長していった。言葉は、「上がった所から新しく子が生まれる」というところに由来する。晩冬蓄えた薪が底をつくと、彼らは雪上に顔を出しているブナの枝先を薪にする。やがて春になりブナは目を覚まし、切られた傷を癒し成長を繰り返す。

「根上り木」と「あがりこ」の時代背景は、これからの実地調査ですね。
また、「あがりこ」が「自然環境」によるものか「人的環境」によるものかの、この見極めの仕方をしっかり学びたいと思っています。近く「あがりこ」の特集も組みたいと思います。
これからも、よろしくお願いします。

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